ダンベルベントオーバーローは、広背筋を中心に背中全体を鍛えられる王道トレーニングです。
自宅トレーニーにとっても、ダンベルさえあれば本格的に背中を鍛えられる、非常に優秀な種目と言えます。
しかし一方で、
- フォームを真似しているのに背中に効かない
- 腕や腰ばかりが疲れてしまう
- 重量をどれくらいに設定すればいいのか分からない
このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
ダンベルベントオーバーローがうまく出来ない原因は、フォームそのものではなく「重量設定」にあったりします。重量が重すぎれば反動が入り、背中ではなく腕や腰に負荷が逃げてしまいます。逆に軽すぎれば、正しい動きができていても筋肉に十分な刺激が入りません。
ダンベルベントオーバーローは「正しいやり方」と「自分に合った重量」がそろって初めて効果を発揮する種目なのです。
そこで本記事では、
- ダンベルベントオーバーローの正しいやり方
- 背中にしっかり効かせるための重量の考え方
- 自分に合ったダンベル重量の見極め方
について自宅トレーニー目線で分かりやすく解説します。「なんとなくの重量」でトレーニングを続けるのではなく、“今の自分に最適な重量”を理解した上でベントオーバーロウを行いたい方に是非おすすめの記事です。
ダンベルベントオーバーローで鍛えられる部位
ダンベルベントオーバーローは、背中を構成する複数の筋肉を同時に鍛えられる「複合種目」です。適切な重量で正しく行うことで、背中に厚みと広がりの両方を作ることができます。
一方で、重量設定を間違えると狙った筋肉に刺激が入らないという特徴もあります。まずは、ベントオーバーローで鍛えられる主な部位を確認していきましょう。
広背筋(こうはいきん)

ダンベルベントオーバーローで最も重要なターゲットが広背筋です。
広背筋は背中の外側に広がる大きな筋肉で、鍛えることで逆三角形のシルエットを作ります。
ダンベルを「下から上に引く」意識ではなく、肘を体の後ろに引き、背中をすぼめるように動かすことで、広背筋がしっかり収縮します。ただし、重量が重すぎると反動が入り、広背筋ではなく腕で引いてしまうため注意が必要です。
僧帽筋(中部・下部)

ベントオーバーローでは、僧帽筋の中部・下部も強く刺激されます。この部位は、肩甲骨を寄せる動作で使われる筋肉です。
ダンベルを引いた際に、
- 肩甲骨が自然に寄る
- 背中の中央がキュッと締まる感覚がある
この状態であれば、僧帽筋中部・下部が正しく使われています。重量が軽すぎるとこの「寄せる感覚」が弱くなり、逆に重すぎると肩がすくんで僧帽筋上部ばかりが使われてしまいます。
大円筋(だいえんきん)

大円筋は広背筋の付け根付近に位置し、背中の「横の厚み」を作る筋肉です。ダンベルベントオーバーローでは、
- 肘を体に近づけて引く
- トップで背中をしっかり収縮させる
ことで大円筋にも強い刺激が入ります。この部位は軽すぎる重量では刺激を感じにくいため、「フォームを崩さず扱える中で、ややキツい重量設定」が重要になります。
脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)

ベントオーバーローでは、脊柱起立筋も重要な役割を果たします。脊柱起立筋は、前傾姿勢をキープするために常に働いている筋肉です。
この筋肉が安定していることで、
- 背中が丸まらない
- フォームが崩れにくい
- 狙った筋肉に負荷を乗せやすい
といったメリットがあります。ただし、重量が重すぎると脊柱起立筋への負担が大きくなり、腰痛の原因になることもあるため注意が必要です。
ダンベルベントオーバーロウの正しいやり方
ダンベルベントオーバーローは、見た目はシンプルですが、フォームが少し崩れるだけで効きが大きく変わる種目です。
ここでは背中にしっかり効かせるための基本フォームを手順に沿って解説していきます。
① スタンスと姿勢を作る
- 足幅は肩幅程度
- ダンベルを両手に持ち、股関節から上体を前傾
- 背中は丸めず、自然な反りをキープ
- 目線は斜め前〜床を見る位置

上体の前傾角度はおおよそ45度前後が目安です。この姿勢を安定してキープできることが、ベントオーバーローの土台になります。
※この姿勢をすでに維持できない場合、重量が重すぎる可能性があります。ダンベルを持った時に腰が曲がっていないか確認しましょう。
② ダンベルを引く動作

ダンベルを引く際は、腕で引くのではなく「肘を体の後ろに引く」意識を持つことが重要です。ダンベルは体に沿うように引き上げ、トップポジションでは肩甲骨を軽く寄せる感覚を作ります。
この時、
- 反動を使っていないか
- 上体が起き上がっていないか
をチェックしましょう。これらが起きる場合は重量が重すぎる可能性が高いです。トップポジション(ダンベルを引き切った位置)では、「背中がキュっと締まる」感覚があればOKです。

腕がつらい、背中の締まりを感じない、という場合は重量が合っていません。
③ ダンベルを下ろす動作(ネガティブ)
ダンベルは一気に下ろさず、コントロールしながらゆっくり下ろすことが大切です。
ネガティブ動作でも背中に負荷を乗せ続けることで、ベントオーバーローの効果は大きく高まります。ここで勢いよく下ろしてしまう場合も、扱っている重量が適切でない可能性があります。
ダンベルベントオーバーローでよくあるフォームの崩れ
ベントオーバーローでは、以下のようなフォームの崩れが起きやすくなります。
- 反動を使って引いてしまう
- 上体が起き上がる
- 背中が丸まる
- 腕ばかりが疲れる
正しいフォームを確認し、背中にしっかりと刺激が入るように意識をしてください。上記のミスが起こる原因として「自分に合っていない重量設定」も考えられます。ダンベルベントオーバーローを正しく行うためにも適切な重量を選択しましょう。
ダンベルベントオーバーローの重量設定の考え方
ダンベルベントオーバーローを正しく行うためには、重量設定が重要です。重量を適切に選択することでトレーニングの質が大きく変わります。
重い方が効くはずだと思い、自分に合っていない重量を扱ってしまうと、適切に背中に刺激が入らない、腰に負担がかかるなどの不具合が生じてきます。
また、トレーニングを行う目的によって適切な重量が変わってきますので、その点も考慮する必要があります。
- 筋肥大を狙いたいのか
- 筋力UPを狙うのか
- 筋持久力を狙うのか
によって最適な重量が変わってきます。次からは目的に応じた重量設定の目安についてご紹介します。
筋肥大が目的の場合|8〜12回出来る重量
背中を厚くしたい、逆三角形を作りたいといった見た目の変化を狙う場合は、筋肥大を目的とした重量設定が最適です。
重量・回数の目安
- 8〜12回で限界が来る重量(8〜12RM)
- 最後の1〜2回がかなりキツい
- フォームを崩さずコントロールできる
背中を鍛える目的として筋肥大を考えている方は多いのではないでしょうか。筋肥大を狙うなら「重すぎず、軽すぎず」な重量で行うことがポイントです。10回程度、正しいフォームで実施出来る重量を選びましょう。
筋力アップが目的の場合|5〜8回出来る高重量
純粋に「引く力」を強くしたい場合は、筋力アップを目的とした高重量設定が有効です。回数は少なくて良いので、高負荷で高出力を目指しましょう。
重量・回数の目安
- 5〜8回で限界が来る重量(5〜8RM)
- 1回1回を集中して行う
- セット間の休憩はやや長めに設定(1.5〜2分)
筋力アップを狙う場合は高負荷でトレーニングを行います。5回程度の回数が正しいフォームで出来る重量を設定しましょう。ただし、高重量になると腰への負担も大きくなります。フォームの崩れを感じたら重量を落とし、今一度正しく出来ているか確認するのがおすすめです。
持久力アップ・引き締めを目指す|12〜20回出来る重量
背中を引き締めたい、運動習慣づくりや体力向上が目的の場合は、軽めの重量で回数を多く行う設定が向いています。
重量・回数の目安
- 12~20回出来る重量
- 反動は使わず、正しいフォームを意識
この目的に向いてる人は、トレーニング初心者や女性トレーニー、フォーム習得を重視したい人などです。軽めの重量でも回数を増やし、正しいフォームで行うことで十分に背中に刺激を入れることが出来ます。背中の引き締めを目指す方におすすめのトレーニング方法です。
自分に合った重量かどうかを判断するチェックポイント
以下の項目に当てはまっていれば、その重量はダンベルベントオーバーローに適しています。
- 正しいフォームで目安の回数まで出来る
- 反動を使わずに引けている
- 上体の前傾角度を最後までキープできる
逆に、1つでも大きく外れている場合は、重量の見直しを検討しましょう。また、その日の体調や疲れ具合によっても適切な重量は変わってきます。重量は常に固定するのではなく、その日の状況によって使い分けましょう。
初心者は何キロのダンベルを買うべきか?
ダンベルベントオーバーローをこれから始めたい初心者は「何キロのダンベルが必要だろう?」と迷ってしまうと思います。重すぎるとフォームが崩れ、軽すぎるとすぐに物足りなくなってしまいます。
ここでは、ダンベルを持っていない初心者が失敗しにくい重量選びのヒントを紹介します。まずは、いきなり高重量を扱うことを目的とせず、
- フォームを安定させる
- 背中に効かせる感覚を掴む
- 怪我無く継続する
ことが重要です。
初心者におすすめの重量目安(片手)
ベントオーバーローを行う初心者の場合、以下がひとつの目安になります。
※あくまで目安であり、体格や筋力によって個人差があります。
男性初心者の場合:(片手)8〜12kg前後
女性初心者の場合:(片手)4〜6kg前後
男性でしたら10㎏前後、女性の場合は5㎏前後が目安になってくるかと思います。もちろん、運動歴や体格によって個人差はありますが、目安として上記の数字をご参考にしてみて下さい。
初心者がダンベル購入で失敗しないためのポイント
初心者がダンベル選びで失敗しないためのポイントは、
- 重量を変えることが出来るダンベルを選ぶ
という点です。ダンベル購入に踏み切るのに勇気がいるかと思いますが、初心者でしたら思い切って可変式のダンベルがおすすめです。
なぜなら、初心者ほどすぐ伸びるからです。筋トレ初心者は最初こそ重量を扱うのに苦労しますが、その後の成長が早いというのが特徴です。「今」よりも「これから」も見据えた時、重量が変えられるダンベルの方が重宝します。
また、取り組む種目は1つだけではないと思います。むしろ、1つだけだともったいないです。複数種類のトレーニングを行い、効率的に鍛えることがおすすめですので、その分必要な重量も変わってきます。
以上のように、
- 初心者は成長スピードが速い
- 複数種類のトレーニングを実施する
といった点を考えると、可変式ダンベルを選択することが失敗しないダンベル選びのポイントです。


まとめ
ダンベルベントオーバーローは、自宅でも背中を本格的に鍛えられる非常に優秀なトレーニング種目です。
しかし、正しいフォームで行わないと背中に効かないだけでなく、腰を痛めるリスクになります。また、正しいフォームで行うためにも適切な重量設定が重要です。
- 背中を意識できる正しいフォーム
- 目的(筋肥大・筋力アップ・持久力)に合った重量設定
- 初心者は無理なく扱える重量を選ぶ
この3つを押さえることで、ダンベルベントオーバーローの効果は大きく変わります。
自宅トレーニングでも、適切な重量設定と正しいフォームを理解すれば、背中はしっかり鍛えられます。ぜひ今回の内容を参考に、自分に合ったダンベルと重量で、ダンベルベントオーバーローを継続してみてください。



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