ディップスで肩が痛くなる理由と対策|チューブ補助で安全に鍛える方法

ディップスは大胸筋下部や上腕三頭筋を効率よく鍛えられる、非常に優秀な自重トレーニングです。

しかしその一方で、やり方を間違えると「肩を痛めやすい種目」でもあります。

  • ディップスをすると肩の前側が痛くなる
  • 沈み込むのが怖くて思い切りできない
  • そもそも肩が痛くてディップスを避けている

このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

実際、ネットやSNSで紹介されているディップスのやり方は、トレーニング経験者向けだったり、肩や胸の柔軟性が高い人向けの場合も多いです。そのまま真似をすると、肩に違和感や痛みが出てしまうケースも少なくありません。

かくいう私も、肩に痛みが出やすく、ディップスをやるといつも右肩に痛みが出てしまっていました。

「ディップスはやりたい。でも肩が痛い…」

そんなジレンマの中で、フォーム・可動域・補助方法を何度も見直し、肩を痛めにくく、安心して続けられるディップスのやり方を模索してきました。

この記事では、

  • 肩が痛くなりやすい原因
  • 肩に負担をかけにくいディップスのフォーム
  • チューブを使った安全な補助方法
  • 肩の安定性を高めるインナーマッスルトレーニング

について肩に不安がある方でも実践できる形で分かりやすく解説していきます。

「肩が痛いからディップスは無理」と諦めていた方こそ、ぜひ最後まで読んでみてください。

ディップスってどんなトレーニング?

「上半身のスクワット」とも呼ばれるディップス。それだけ強い負荷をかけることが出来るトレーニングです。

ディップスでは主に大胸筋上腕三頭筋を鍛えることが出来ます。自重のみでも強い負荷をかけることが出来るので、自宅トレーニーにとてもおすすめの種目です。高い負荷をかけることが出来る反面、肩を痛めやすい種目でもあります。痛みなく行うためにも正しいフォームで行うことが大切です。

ディップスで鍛えられる筋肉

ディップスで鍛えられる筋肉についてご紹介します。

【大胸筋・下部】

ディップスでは主に大胸筋の下部を鍛えることが出来ます。大胸筋は胸骨から上腕にかけて広がっている筋肉で、胸のボリュームや立体感を決める重要な部位です。

大胸筋の下部を鍛えることで胸の輪郭が際立ち、立体感のある胸を作ることが出来ます。自宅トレーニーの場合、ベンチプレスやケーブル系の種目ができない環境も多く、大胸筋下部を狙って鍛えられる種目は限られがちです。

その点、ディップスは自重トレーニングでありながら、大胸筋下部にしっかり刺激を入れられる貴重な種目と言えます。


【上腕三頭筋】

上腕三頭筋は上腕の後ろ側の筋肉です。上腕三頭筋は上腕の筋肉の中で最も体積が大きく、腕の太さ・迫力を大きく左右します。そのため、「腕を太く見せたい」、「Tシャツが似合う腕を作りたい」という方にとって、上腕三頭筋のトレーニングは欠かせません。

上腕三頭筋は、肘を伸ばす動作で強く収縮します。ディップスでは体を押し上げる局面で肘を伸ばすため、正しく行えば上腕三頭筋にも十分な刺激が入ります。


狙う部位でフォームは変わる

ディップスは、

  • 大胸筋下部を狙うフォーム
  • 上腕三頭筋を強調するフォーム

で、体の使い方が若干異なります。今回の記事では、

「肩への負担を抑えながら、大胸筋下部をメインで鍛えるディップス」

にフォーカスして解説していきます。

肩を痛めるリスクを減らしつつ、かっこいい立体的な胸を作るためにも、正しいフォームを意識して行いましょう。

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ディップスで肩を痛める原因

ディップスは自重で大胸筋下部を鍛えることが出来るとても良い種目ですが肩を痛めやすいという点には注意が必要です。まずは肩を痛める原因について整理していきます。

ディップスで肩を痛める原因
  1. 肩を無理やり伸展させている
  2. 深く沈みすぎる

1、肩を無理やり伸展させている

ディップスで肩を痛める原因の1つは「肩を無理やり伸展させている」ことです。肩の伸展とは下記の図の様に「腕を後ろに引く」動作を指します。

肩関節の屈曲・伸展の動き

実際にやっていただくとわかるように、あるところで「これ以上はきつい」、「突っ張る」と感じるはずです。これが肩の伸展の限界です。

当然、無理に伸展させようとすると肩に痛みが走り、それ以上後ろに引くことが出来ません。ディップスでの肩の痛みは、肩の伸展範囲に限界があるにも関わらず、無理に伸展させようとすることで起こります。

ディップスのやり方 胸の張り方
肩関節が無理に伸展し、肩に負荷がかかっている。

2、深く沈みすぎる

ディップスで肩を痛める原因の1つが深く沈みすぎることです。つい負荷をかけたいと思い、深く沈みがちですがその分、肩に負荷がかかってしまいます。

特に、筋トレ初心者は肩の柔軟性がない方が多いので無理は禁物です。肘の角度は90度が目安です。また、肘が肩のラインを越えないように注意しましょう。

肘の角度は90度。肘が肩のラインを越えない。

ディップスは、無理に体を深く下げなければ効果が出ない種目ではありません。

可動域をコントロールし、肩に負担の少ない範囲で行うことで、大胸筋下部や上腕三頭筋にはしっかり刺激を入れることができます。

次の章では、こうした肩への負担を抑えるための具体的なフォームのポイントと補助方法を解説していきます。

肩を痛めづらいディップスのやり方

ここからは「肩を痛めづらいディップスのやり方」についてご紹介します。

筋トレのHow to動画は数多く存在しますが、自分の筋力や柔軟性に合った方法を参考にするのが重要です。下記の動画は筋トレ初心者や柔軟性が乏しい方に合わせて肩を痛めにくいディップスのやり方について解説をしてくれています。


肩を痛めづらいディップスのやり方

  1. 背中を軽く丸めてバーを握る
  2. 脇を開きながら体を下ろす
  3. 肘の角度は90度を目安に体を下ろす
  4. 胸を寄せる意識で上半身を持ち上げる
ポイント!

スタートポジションにおけるポイントは「背中をやや丸める」という点です。

背中を伸ばして行うと自分の体重が肩関節に乗ってしまいます。背中を軽く丸めることで肩に余裕が生まれ、負荷が肩に乗るのを軽減してくれます。

ディップスのやり方 背中の丸め方
背中はやや丸めてOK

ポイント!

沈み込みの際のポイントは「脇をやや開きながら沈む」という点です。

脇を開かずにディップスを行うと無理やり肩関節が伸展し、肩に負担が生じてしまいます。脇を開くことで肩関節の伸展を防ぐことができ、肩への負担が減ります。

脇はやや開き気味で肩に余裕を作る

ポイント!

肘の角度は90度!体を下げすぎないように注意しましょう。

体を下ろしすぎると肩関節へ負荷がかかってしまいます。肘の角度は90度が目安です。

肘の角度は90度が目安です

ポイント!

胸を寄せる意識をもって、体を持ち上げる!

上半身を上げる時は胸を寄せて絞り上げるように意識します。この意識により大胸筋をしっかりと収縮させることが出来ます。下記の様にイメージするとわかりやすいです。

実際にはバーがあるのでこのように動かすことはできませんが、胸を寄せて体を持ち上げるイメージが重要です。
※わかりやすいイメージは「だっちゅ~の」です。分らない世代の方はネットで検索してください。

胸を寄せる感覚で体を持ち上げることで、腕ではなく大胸筋を使うことが出来ます。以上のポイントを踏まえてディップスをやると肩への負担を軽減しつつ、大胸筋に効かせることが出来ます。

特に、初心者は肩の可動域が狭いと思います。上記のポイントを抑えながら、無理のない範囲でトレーニングを実施していきましょう。

肩を労わるディップスの補助方法

ここからは肩の痛みを軽減するための補助方法についてご紹介します。

肩が痛くなりやすい方の多くは、

  • 筋力が足りずフォームが崩れる
  • 体を支えきれず、深く沈みすぎてしまう
  • 肩で無理に体を支えようとしてしまう

といった状態に陥りがちです。

その結果、肩の伸展が過剰になり、痛みが出やすくなるという悪循環が起こります。そこで有効なのがチューブを使って体重の一部を補助する方法です。

ディップスの補助方法
チューブを垂らします
ディップスの補助方法
チューブの補助を使うことで肩の負荷を軽減!

チューブ補助ディップスは、「正しいフォームを保ったまま負荷を下げられる」という点が最大のメリットです。

チューブを活用することで体重を支えてくれるので肩への負担を軽減することが出来ます。また初心者がフォームを覚えるためにも有効です。特に、肩に不安がある方にとっては、「安全に練習できる環境を作れる」 ことが最大の価値です。

ディップスの補助は、「できない人が使うもの」ではありません。肩を守りながら、正しい動作を身につけるための手段です。

しかも、チューブの可能性は補助に使うだけではありません!

次の章では、ディップスをより安全に、そして長く続けるために重要なチューブを使った肩インナーマッスルの鍛え方について解説していきます。

チューブ出来る!肩痛予防のインナーマッスルトレーニング

肩のインナーマッスルを鍛えることで肩痛の予防をすることが出来ます。肩のインナーマッスルを鍛えるためには、ダンベルやバーベルのような高負荷ではなく、軽い負荷をコントロールして行うトレーニングが適しています。

そこで最適なのがトレーニングチューブです。

この章では肩のインナーマッスルを鍛えるチューブトレーニングについてご紹介します。


① チューブ外旋

外旋とは、肘を体の横につけたまま、前腕を外側へ回す動作です。

この動きで主に鍛えられるのが、

  • 棘下筋
  • 小円筋

といった、肩のインナーマッスル(ローテーターカフ)です。これらの筋肉は、肩関節が前にズレたり、引っ張られたりするのを防ぐ役割があります。つまり外旋を鍛えることで、

  • 肩関節の安定性が高まる
  • ディップス中に肩が前に出にくくなる
  • 肩の前側の痛みを予防しやすくなる

といった効果が期待できます。

【チューブ外旋のやり方】

  • 肘を体の横につけ90度に曲げる
  • 肘の位置を固定したまま前腕だけを外側へゆっくり開く
  • 反動を使わず、ゆっくりと戻す

反動を使わず、じわっと効かせる意識で行いましょう。

【回数目安】

  • 15〜20回 × 2〜3セット

インナーマッスルは追い込む必要はございません。肩の奥がじんわりと疲れている感覚があれば正解です。左右それぞれ行いましょう。


② チューブ内旋(外旋とセットで行う)

内旋とは、肘を体の横につけたまま、前腕を体の内側へ引き寄せる動作です。

この動きで主に使われるのが、

  • 肩甲下筋
  • (補助的に)大胸筋・広背筋の一部

といった筋肉です。

肩甲下筋は、肩関節を前から支える重要なインナーマッスルで、ディップスのように肩が前へ引っ張られる動作では特に重要な役割を果たします。

【チューブ内旋のやり方】

  • 肘を体の横につけ、90度に曲げる
  • 肘の位置を固定したまま前腕を体の内側へゆっくり引く
  • お腹の横あたりで止める
  • 反動を使わず、ゆっくり戻す

【回数目安

  • 15〜20回 × 2〜3セット

外旋と同じ回数、セット数で行いましょう。外旋だけでなく、内旋も行うことで肩周りの筋バランスが整いやすくなります。


③ チューブフェイスプル

フェイスプルは、チューブ(またはケーブル)を顔の方向へ引くトレーニングです。

フェイスプルでは主に三角筋の後部を鍛えることが出来ます。日常生活やプレス系の種目で前に引っ張られた肩をニュートラルな位置に戻し、肩回りの動きをスムーズにしてくれます。

【フェイスプルのやり方】

  • チューブを顔〜目の高さに固定する
  • チューブを両手で持ち、腕を前に伸ばす
  • 肘を開きながら顔の方向へ引く
  • 反動を使わずゆっくりと戻す

【回数目安】

  • 15回 × 2~3セット

ディップス前のウォームアップとしても非常に優秀です。肩の後ろ側を意識しながら行いましょう。


インナートレは「軽く・丁寧」が正解

インナーマッスルは「重さを上げる」、「回数を競う」必要はありません。痛みが出ない範囲で正確に動かすことが最優先です。その点、チューブは、負荷が軽く安全に使えるというメリットがあります。また、安価で場所も取らないので自宅トレーニーにもってこいのアイテムです。

チューブの選び方

ディップスのサポートをするためのチューブの選び方について解説します。チューブは形状、強度が様々なので目的に合ったものを選択することが重要です。ディップスにおける肩痛予防の為に使う場合は以下の点を意識すると良いです。

  • ディップスの補助で使う:体を支える為ある程度の負荷と安定性が必要
  • インナーマッスルを鍛える:軽い抵抗で安全に使えるものが良い

用途に寄って理想のチューブが違うので、出来れば2種類のチューブを用意することをおすすめします。

ディップス補助の為の理想のチューブ

ディップスの補助として使うなら、体重を支える分、負荷が高いもの、太さもあって安定性が高いものがおすすめです。

この形状のチューブなら太さがあるのでしっかりと体を支えてくれます。安定性が高く、トレーニング後半でも安定したフォームを保つことが出来ます。

チューブには負荷強度が〇〇㎏と表記されております。必要な強度は自分の体重の30~50%が目安となります。

  • 体重60㎏の場合:20㎏前後~30㎏が目安
  • 体重70㎏の場合:20㎏~35㎏が目安

トレーニング歴が浅い方でディップスで体を全然上げられない。という方でしたら高めの強度で補助を行うのがおすすめです。一方で、ディップスはある程度出来る。少しだけサポートして欲しい。という方でしたら軽めの負荷のものを選ぶのが良いでしょう。

インナーマッスルを鍛える為のチューブ

インナーマッスルを鍛えるためのチューブは軽い抵抗で安全に使えるものが良いです。

このように軽い負荷も含めた複数種類のチューブがセットになっているものがおすすめです。肩の外旋、内旋用には軽いチューブを、フェイスプルを行う際は少し強度を上げたものを使うと丁度良い負荷バランスになると思います。

また、ハンドルがついており扱いやすいという点もメリットです。ハンドルがあることで丁寧に筋肉を動かしやすくなるので、インナーマッスルを鍛えるのに適しています。

まとめ

ディップスは、大胸筋下部を効率よく鍛えられる優れた種目ですが、やり方を間違えると肩を痛めやすいトレーニングでもあります。

特に、

  • 深く沈みすぎてしまう
  • 肩を無理に伸展させてしまう

こうした状態で続けると、肩の違和感や痛みにつながりやすくなります。

肩を痛めずにディップスを続けるために大切なのは、

  1. 肩に負担をかけにくい正しいフォームを身につけること
  2. 無理をせず、補助を使いながら段階的に強度を上げていくこと
  3. 肩関節を安定させるインナーマッスルをしっかり鍛えること

この3つです。

「肩が痛いからディップスは無理」と諦めるのではなく、正しいフォームと適切な補助、そしてインナー強化を取り入れることで、ディップスは安全にそして長く続けることができます。

まずはチューブを使った補助やインナーマッスルトレーニングから始め、肩に不安のない状態でかっこいい大胸筋作りを目指していきましょう。

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