懸垂は自宅トレーニングにおける背中種目の王道です。広背筋を中心にたくましい背中を作るうえで欠かせないトレーニングと言えるでしょう。
しかし、筋トレを続けていくと懸垂が出来るようになったその先で、こんな悩みに直面しませんか?
- 回数がなかなか伸びなくなってきた
- 背中に効いている感覚が薄れてきた
- 懸垂だけでは物足りなさを感じる
これはトレーニングが順調にレベルアップしている証拠です。それと同時に次のステップへ進むタイミングでもあります。
そこでおすすめしたいのがトレーニングチューブの活用です。
懸垂マシンがあれば、「引く」という高強度の刺激を背中に与えることが出来ます。そこにチューブを組み合わせることで、
- 懸垂の補助として使える
- 追い込みや仕上げまで一貫して行える
- チューブを使うことで出来る種目が増える
といった中級者が求める要素をカバーできます。まさに「懸垂マシン × チューブ」は、背中トレを加速させる最高の組み合わせです。
今回の記事では懸垂マシンとチューブを組み合わせることで出来ることを3つご紹介します。背中トレーニングを加速させたい方は是非ご覧ください。
なぜ懸垂マシンとチューブは相性が良いのか?
懸垂マシンとトレーニングチューブは、それぞれ単体でも優秀な器具ですが、組み合わせることで価値が高まります。その理由は大きく分けて3つあります。
① セットの最後に使えば追い込みに有効
懸垂は自重トレーニングの中でも負荷が高く「出来るか・出来ないか」がはっきり分かれやすい種目です。
トレーニングに慣れている方でも、
- セットの後半が全然上がらない…
- 数回で力尽きてしまい、最後まで追い込めてるか不安
といったことはないでしょうか?
限界直前が重要にもかかわらずいきなり力尽きて粘れない…。
最後まで丁寧に行いたいが、体がいうことを聞かない…
そんな時は、自重で限界を迎えた後はチューブを活用するのがおすすめです。チューブでの補助懸垂を行うことで、フォームを崩さず、最後の追い込みをかけることが出来ます。
無理に反動を使ってあげるよりも、はるかに安全かつ効果的に背中を追い込むことが可能です。背中を効果的に鍛えるためには、「狙った刺激を最後まで入れ、筋肉を使い切る」という追い込みが重要です。そのサポートをチューブがしてくれます。
とにかく回数を目指していた初心者から、より効果的なトレーニングを求める中級者へのステップアップに向けて、「懸垂マシン×チューブ」は役立ちます。
② トレーニング後半でも正しいフォームを維持できる
「懸垂×チューブ」の2つ目のメリットはトレーニング後半でも正しいフォームを維持できる点です。
最初はワイド懸垂、次にパラレルグリップ、最後に逆手懸垂といった形で複数の懸垂種目を取り入れている方も多いと思います。複数種類の懸垂を取り入れることで背中を効率よく鍛えることが出来る反面、トレーニング後半のフォーム維持に苦労をすることはないでしょうか?「後半種目は全く回数が上がらない…」ということもあると思います。
トレーニングの後半戦はチューブでの補助懸垂をメインで行うことで、
- 正しいフォームを維持することが出来る
- 後半戦でも回数をこなすことが出来る
といったメリットがあります。
雑になりがちなトレーニング後半を「しっかりと効かせながらやり切る」といった質の高いトレーニングに変えることが出来ます。より効果的に背中を鍛えたい中級者以上のトレーニーにとって、チューブ補助はトレーニング後半を支える重要なツールになるはずです。
③ 懸垂以外のトレーニングも出来る
懸垂マシンとチューブを組み合わせて出来る背中のトレーニングもあります。例えば、
- ラットプルダウン
- シーテッドロウ
- フェイスプル



これらのジムマシンに近い動作を自宅で再現できます。
自宅トレーニングでは背中の種目数が限られてしまうと思います。懸垂を中心にやっていて、どこかマンネリ化してきたという方も多いと思います。「懸垂マシン×チューブ」でトレーニングのバリエーションを増やすことが出来れば、さらに効果的な背中トレーニングが可能となります。
懸垂だけでは刺激しきれない部位を狙えるため、背中全体をバランスよく鍛えることが可能になります。また、トレーニングのバリエーションが増えることでモチベーションアップにも繋がるはずです。
背中トレーニングがマンネリ化してきた時こそ、「懸垂マシン×チューブ」の組み合わせが効いてきます。
懸垂マシン×チューブは「伸び悩み突破セット」
懸垂マシンとチューブの組み合わせについてまとめると
- 懸垂の最後の追い込みに有効
- トレーニング後半も正しいフォームで丁寧に筋肉を狙うことが出来る
- 懸垂マシンとチューブを組み合わせて新しいトレーニングが出来る
といったことが挙げられます。懸垂マシンとトレーニングチューブの組み合わせは中級者以上のトレーニングの質の改善に有効です。
まさに「伸び悩み突破セット」と言えるかと思います。
次の章では、この組み合わせで実際に出来る「補助懸垂」のやり方や「組み合わせて出来る新たな種目」について解説していきます。

懸垂マシンとチューブの活用例-追い込み編-
ここからは具体的な懸垂マシンとチューブの活用方法についてご紹介します。まずは懸垂補助に使って「追い込みをかける」方法です。
目的:懸垂の正しいフォームの獲得、最後の追い込みで筋肉を使い切る
まずはベーシックな懸垂の補助としての活用方法です。チューブを使うことでフォームの習得はもちろん、最後の追い込みに有効です。
使用するチューブは以下の様な太さがあるチューブが懸垂の補助にはおすすめです。


脚にかけて使うことでしっかりと懸垂をサポートしてくれます。

太さがあるので安定して体を支えてくれます。
活用例① セット終盤で補助に使い追い込む
活用例の1つ目は「セットの終盤で補助として使う」です。自重で限界まで行い、最後の数回をチューブを使った補助懸垂で行います。
やり方
- 通常の懸垂で限界まで行う
- 上がらなくなったらチューブに足を乗せる
- そこから2〜3回追加
これにより、
- 背中への刺激を最後まで維持できる
- 無理な反動を使わずに済む
というメリットがあります。自重だと急に力尽き、最後の数回を上げ切れないことがあると思います。それをチューブでサポートします。
「潰れる直前で質を落とさない」これが中級者以上にとって非常に重要です。
活用例② トレーニング後半のフォーム維持目的で使う
2つ目の活用例は「トレーニングの後半に使う」です。
セットを重ねたり、複数の懸垂(ワイド、パラレル、逆手など)を行っていると、
- 肩がすくむ
- 肘が引けなくなる
- 可動域が狭くなる
といったフォーム崩れが起こりやすくなります。この状態で無理に自重での懸垂を続けるよりも、チューブ補助に切り替える方が効果的です。むしろ、この状態では自重ではほぼ回数が上がらないというケースも多いと思います。
やり方
- まずは自重で懸垂を行う
- 3回以上自重で上がらなくなったらチューブ懸垂に切り替え
- チューブ懸垂でフォームを意識しながら限界まで行う
複数種目の懸垂を行うなら、後半種目はチューブでの補助懸垂に切り替えてしまいましょう。自重で全然上がらないのであれば、補助懸垂で正しいフォームで回数を重ねる方が効果的です。
補助があることで、「正しい動きを最後まで繰り返す」ことが可能となります。

懸垂マシンとチューブの活用例③-種目を増やす編-
懸垂マシンとチューブを組み合わせることで、新たな種目を行うことが出来ます。
自宅でもラットプルダウンやシーテッドロウ、フェイスプルといったジムマシンに近い動作の再現が可能です。
懸垂が「高強度・全体刺激」だとすれば、ラットプルダウンなどの種目は「狙って効かせるための種目」になると思います。懸垂で追い込み、ラットプルダウンやシーテッドロウで仕上げる。この流れが出来れば背中の完成度はさらに高まります。
懸垂マシン×チューブ=ラットプルダウン
懸垂マシンとチューブを組み合わせることで「ラットプルダウン」を行うことが出来ます。

ラットプルダウンは上から下に引く動作により、広背筋や僧帽筋などを鍛えることが出来ます。懸垂マシンを使い、チューブを上から垂らすことでラットプルダウンの動きを再現することが出来ます。
やり方
- チューブを懸垂マシンの上から垂らす
- 床orベンチに座る(膝立ちでもOK)
- 胸を軽く張り、ハンドルを握る
- 肩甲骨を下げる意識でチューブを下に引く
- みぞおちに向かって引き切る
- ゆっくりと元の位置に戻す
懸垂マシンとチューブを活用することでジムでしかできないと思っていたラットプルダウンが自宅で再現できます。
チューブを選ぶ際は、
- 複数の負荷がセットになっている
- ハンドルが付いている
といったものを選ぶのがおすすめです。
複数の負荷があることでその日の状態によって負荷を使い分けることが出来ます。また、複数のチューブを組み合わせて使うことで負荷を強化することも出来るので幅広く活用することが可能です。また、ハンドルを使うことで「引く動作」をサポートしてくれます。ラットプルダウンは引き切る動作が重要なので、ハンドル付きの商品がおすすめです。


懸垂マシン×チューブ=シーテッドロー
懸垂マシンとチューブを組み合わせることで「シーテッドロー」を行うことも出来ます。

シーテッドローは肘を引く動作により、広背筋や僧帽筋を鍛えることが出来る種目です。背中の広がりや厚みを作るのにとてもおすすめな種目です。
やり方
- チューブを懸垂マシンの支柱や下部に固定
※チューブを引いた時に懸垂マシンが傾かないように足で抑えると良いです。 - 床に座り、両脚を軽く伸ばす
- 胸を張り、背筋を伸ばして構える
- 肘を体の横〜やや後ろへ引く
- 肩甲骨を寄せ切る
- ゆっくり元の位置へ戻す
ここで大切なのは、手ではなく肘で引く意識です。腕で引いてしまうと、上腕二頭筋ばかり使ってしまうので注意しましょう。
ラットプルダウンでは上から下に引く動きでしたが、シーテッドローでは「前から後ろに向かって引く」動きとなります。異なる動きで背中を刺激することで、効率的に筋肥大につなげることが出来ます。

懸垂マシン×チューブ=フェイスプル
懸垂マシンとチューブを組み合わせることで「フェイスプル」を行うことも出来ます。

フェイスプルは三角筋後部や肩甲骨周りの筋肉を鍛えることが出来る種目です。肩の痛みがある方は、フェイスプルで肩周りを鍛えると肩トラブルの予防になり、他の種目の出力アップに繋がります。
やり方
- チューブを目の高さ辺りの位置に固定
- 肩をすくめないように注意し自然な形で立つ
- 肘を外へ開くようにチューブを引く
- 目〜鼻の高さへ引き寄せる
- ゆっくり元の位置へ戻す
重要なのは、肘を後ろではなく「外に引く」意識です。これにより、三角筋後部と肩甲骨周りにしっかり刺激が入ります。
懸垂などの種目では肩が前に入りやすく巻き肩気味の状態になります。フェイスプルを入れることで肩甲骨の位置が整い、姿勢がリセットされます。フェイスプルはそれ自体で筋肉を大きくするというよりも、肩トラブルを予防し、他の種目の出力を上げる役割が強いです。まさに、「トレーニング全体の質を向上させる」ことが出来る種目です。

懸垂マシン×チューブで完成!背中トレメニュー
この章では、懸垂マシンとチューブを使った具体的な背中トレーニングメニューについてご紹介します。縦に引く動きや横に引く動きを組み合わせ、総合的に背中を鍛えることが出来るメニュー構成にしております。自宅でも本格的に背中を鍛えることが出来る内容です。
全体構成(目安時間)
- ウォームアップ:5分
- メイントレーニング:20〜30分
- 仕上げ:5〜10分
合計:30〜45分
① チューブ・ラットプルダウン(ウォームアップ)
目的:広背筋を目覚めさせ、懸垂の効きを高める
- 回数:15〜20回
- セット:2セット
- 休憩:30〜45秒
ポイント
- 軽めのチューブを使用
- 肩甲骨を下げる意識を最優先
- じっくり、ゆっくりと動かす
疲れさせるのではなく背中にスイッチを入れる感覚で行います。まずは軽く筋肉を動かし、広背筋の動きを確認しましょう。チューブはしっかりと引き切り、広背筋に刺激を入れましょう。
② 自重懸垂(ワイドグリップ)+チューブ補助懸垂
目的:背中全体への高強度刺激
- 回数:自重で6〜10回→チューブ補助で3~5回
- セット:3セット
- 休憩:90秒前後
ポイント
- 反動は使わずに丁寧なフォームを心がける
- 胸を張り、可動域をフルに使う
背中のメイン種目として、ワイドグリップでの懸垂を行います。まずは自重で行い、限界まで背中を追い込んでください。セットの最後の数回はチューブを使った補助懸垂を行います。これにより、追い込みをサポートしてくれます。
「自重→チューブ懸垂」の流れで背中を確実に追い込んでいきましょう。
③ チューブ補助懸垂(パラレルor逆手)
目的:限界付近でも背中を使い切る
- 回数:限界まで出来る数
- セット:3セット
- 休憩:90秒
ポイント
- 回数よりも正しいフォームを意識する
2種目目の懸垂を行います。「パラレルグリップ」もしくは「逆手」で行い、さらに背中を追い込んでいきましょう。パラレルグリップは広背筋全体に効きやすく、正しいフォームも作りやすいのでとてもおすすめの握り方です。マシンによっては出来ないものもあると思うので、その際は逆手で懸垂を行いましょう。
逆手の場合は、上腕二頭筋を使いやすいので疲れていても体を上げやすいです。懸垂の後半に取り入れ最後の追い込みにピッタリです。
2種目目となると背中の疲労も溜まり、自重で上げるのは相当きついと思います。2種目目は最初からチューブでの補助を行い、限界まで行いましょう。
懸垂で背中を追い込む最後の一押しです。

④ チューブ・シーテッドロー
目的:背中の厚みを作る
- 回数:12〜15回
- セット:3セット
- 休憩:60秒
ポイント
- 肘で引く意識で背中の筋肉を動かす
- 肩甲骨を寄せ切る意識
- ネガティブを丁寧に行う
続いてチューブ・シーテッドローで背中を追い込んでいきます。懸垂とは異なる「横に引く動き」で背中を刺激していきます。僧帽筋を意識したシーテッドローで、背中の厚みを作っていきましょう。
複数種目で背中を刺激することにより、強い背中のパンプ感を感じることが出来るはずです。
⑤ チューブ・フェイスプル(仕上げ)
目的:背中上部と肩甲骨周りを整える
- 回数:15〜20回
- セット:2〜3セット
- 休憩:30〜45秒
ポイント
- 軽めの負荷で行う
- 肘を外に開く意識で動かす
- コントロール重視で丁寧に行う
背中トレの完成度を高める仕上げ種目です。肩の後ろから背中上部までの厚み作りと、肩トラブルの予防にフェイスプルを取り入れます。
前半の種目で肩の前側に負荷がだいぶかかってますので、肩の後ろ側も刺激を入れることでバランスを整えます。だいぶ疲れも溜まっているかと思うので、少し軽めの負荷で、フォームを意識しながら丁寧に行いましょう。
以上が懸垂とチューブを組み合わせたメニューの例です。懸垂マシンとチューブを組み合わせることで、自宅でも背中トレーニングは次のレベルへ進めます。
「ジムに行く時間がないけど本気で背中を鍛えたい」
という方におすすめのメニューとなっています。
種目別|おすすめチューブ強度の目安
ここからは種目ごとのおすすめチューブについてまとめます。まず大前提として、チューブは1本で全種目をカバーするのは難しいです。種目やその日の状態に応じて複数種類のチューブを使い分けることをおすすめします。
① 補助懸垂用(やや強め、太め)
懸垂補助の為に使うチューブは強度が高く、太くで丈夫なものがおすすめです。実際私が使ってるチューブはこちらです。
メーカー表記だと負荷(抵抗値)は「20~30㎏」と記載されています。
参考までに、私は体重約70㎏、自重での懸垂は20回程出来ます。こちらのチューブの補助強度は強すぎず弱すぎずで丁度良い感覚です。しっかりと体重を支え、補助懸垂に適した強度だと感じています。初心者の懸垂の補助から中級者以上の追い込みにまで幅広く使える強度だと思います。
② ラットプルダウン・シーテッドロー用
ラットプルダウンやシーテッドローを行うなら複数の強度がセットになったものやハンドル付きのものがおすすめです。複数のチューブを使うことで負荷を強化することも出来るので、幅広い負荷調整が可能です。引き切りの動きを適切に行うためにハンドルもあった方が良いと思います。
③ フェイスプル用(弱め)
フェイスプル用のチューブはラットプルダウン、シーテッドローよりもやや弱めの強度で十分です。より丁寧に行うためにも強度はそこまで必要はありません。ラットプルダウン~フェイスプルまで幅広くトレーニングを行うことを考えるとやはり、強度のバリエーションがあるセットのチューブがおすすめです。
まとめ
懸垂マシンとトレーニングチューブを組み合わせることで、自宅トレーニングでも背中は本格的に鍛えられます。
- セット終盤にチューブ補助を使うことで、最後まで追い込める
- トレーニング後半でもフォームを崩さず動作を続けられる
- ラットプル・シーテッドロー・フェイスプルまで出来るため、背中トレのバリエーションが一気に広がる
「懸垂が出来るようになった」その先で感じる伸び悩みを、自然に突破できる組み合わせです。
懸垂マシンはそれ単体でも優秀な器具ですが、チューブを組み合わせることで“背中トレーニングの完成度”は一段階上がります。
ジムに行く時間が取れない方でも自宅でここまで出来ます。背中のトレーニングの次へステージへ進むために「懸垂マシン×チューブ」を組み合わせましょう。


コメント