トレーニングベンチは、一部の種目なら床や椅子などで代用できます。
ただし、すべてのトレーニングを同じように行えるわけではありません。
例えば、ダンベルプレスは床で「フロアプレス」として行えますが、肘が床に当たるためベンチを使う場合より可動域が狭くなります。
また、インクラインダンベルプレスのように背もたれの角度を利用する種目は、家庭にある椅子やソファでは安全かつ安定した状態を作りにくいため、完全な代用は難しいです。
そのため、
「ベンチなしでもできる種目」と「トレーニングベンチがあった方がいい種目」
を分けて考えることが大切です。
この記事では、
- トレーニングベンチなしでもできる種目
- 床・椅子・ソファで代用する方法
- 代用しにくいトレーニング
- 代用品を使うときの注意点
について解説します。
先に結論をまとめると、自重トレーニングや床で行うダンベルトレーニングが中心なら、すぐにベンチを買う必要はありません。
一方で、ダンベルプレスの可動域を広げたい人、インクライン種目を取り入れたい人、重いダンベルを扱いたい人は、専用のトレーニングベンチを用意した方がトレーニングしやすくなります。
「自分は代用品で十分なのか、それともベンチを買った方がいいのか?」
を判断できるよう、順番に見ていきましょう。
トレーニングベンチは代用できる?
トレーニングベンチは、一部の種目なら床や椅子などで代用できます。
ただし、トレーニングベンチと同じ可動域や安定性まで再現できるわけではありません。
特に代用しやすいのは、
- ダンベルプレス
- ダンベルフライ
- ワンハンドロー
- ブルガリアンスクワット
- ショルダープレス
などです。
例えば、ダンベルプレスは床で行えば「フロアプレス」として代用できます。
一方で、床では肘が途中で床に当たるため、ベンチを使ったダンベルプレスより可動域は狭くなります。
そのため、
「同じ種目を完全に再現する」というより、似た動作で同じ部位を鍛える
と考える方が分かりやすいです。
また、椅子やソファも種目によっては代用品になりますが、トレーニング専用器具ではないため、安定性や耐荷重には注意が必要です。
特に重いダンベルを持った状態で体重を預けるような使い方では、無理に家庭用家具で代用するのはおすすめしません。
反対に、
- 自重トレーニングが中心
- 軽いダンベルを使う
- 床でできる種目で十分
- まずは自宅トレーニングを試してみたい
という人であれば、最初からトレーニングベンチを用意しなくても十分トレーニングできます。
代用できるかどうかは、「その種目ができるか」だけでなく、「安全に、十分な可動域で行えるか」まで考えて判断しましょう。
トレーニングベンチなしでもできる種目
トレーニングベンチがなくても、種目によっては床や椅子などを使って十分トレーニングできます。
ただし、ベンチを使う場合とまったく同じ動きになるとは限りません。
代表的な種目を見ていきましょう。
ダンベルプレス・ダンベルフライは床で代用できる
ダンベルプレスは、床に仰向けになって行う「フロアプレス」で代用できます。
フロアプレスでも胸や上腕三頭筋を鍛えられるため、「まずはベンチを買わずに胸トレを始めたい」という人には取り入れやすい方法です。
ただし、床では肘が途中で床に当たるため、ベンチを使ったダンベルプレスより腕を下げられる範囲が狭くなります。
ダンベルフライも同様に床で行えますが、腕を深く下ろせないため、胸を大きく伸ばす動きは制限されます。

そのため、
床でも胸は鍛えられるものの、可動域を広く使いたいならトレーニングベンチの方が向いています。
実際に私もダンベルフライを床で行ってみました。
ベンチを使う場合より胸のストレッチ感は弱くなりますが、ベンチなしでも大胸筋に刺激を入れることはできます。
床で行う具体的なフォームや注意点については、以下の記事で詳しく紹介しています。
▶ ダンベルフライは床でもできる?フロアフライのやり方はこちら
ワンハンドローやブルガリアンスクワットは安定した台でも行える
ワンハンドローは、片手や片膝をベンチに乗せて行うことが多い種目です。専用ベンチがなくても、十分に安定した台があり、高さが合えば代用できる場合があります。

ブルガリアンスクワットも同様で、後ろ足を置ける安定した椅子やソファがあれば行えます。

ただし、家具を使う場合は、
- 動かないか
- 滑らないか
- 十分な強度があるか
- 高さが極端に合わないものではないか
を確認してください。
特にブルガリアンスクワットでは、椅子が後ろへ動くとバランスを崩す可能性があります。
ショルダープレスは立って行うこともできる
ショルダープレスは、必ずしもベンチが必要な種目ではありません。立った状態でも行えるため、ベンチがなくても肩を鍛えることは可能です。

一方、インクラインベンチの背もたれを使って座った状態で行えば、姿勢を支えながらトレーニングできます。

そのため、
「肩を鍛えられれば十分」ならベンチなしでも可能
ですが、
「座った状態で姿勢を安定させて行いたい」ならベンチがあると便利
と考えると分かりやすいでしょう。
このように、トレーニングベンチがなくても代用できる種目はあります。
ただし、代用品では可動域や安定性が変わるため、
「その筋肉を鍛えられるか」と「ベンチと同じようにできるか」は別と考えておくことが大切です。
トレーニングベンチを代用しにくい種目
トレーニングベンチなしでもできる種目はありますが、背もたれの角度や安定した支持が必要な種目は代用しにくいです。
特にインクラインベンチを使う種目は、家庭用の椅子やソファでは同じ姿勢を安全に作りにくくなります。
代表的なのは次のような種目です。
インクラインダンベルプレス・インクラインダンベルフライ
インクラインダンベルプレスやインクラインダンベルフライは、背もたれに角度をつけて行う種目です。
主に胸上部を狙いやすく、フラットベンチとは違った刺激を入れられます。

しかし、家庭用の椅子やソファでは、
- 背もたれの角度が合わない
- 体をしっかり支えられない
- 座面が柔らかい
- ダンベルを持った状態で姿勢が不安定になりやすい
といった問題が出やすいため、代用品で再現するのはおすすめしにくいです。
インクライン系の胸トレを取り入れたいなら、角度調整できるインクラインベンチを使うのがおすすめです。
インクラインベンチを用意すると、胸上部を狙うインクラインダンベルプレスも行えるようになります。フォームや角度、重量の目安については以下の記事で詳しく紹介しています。
ベンチに胸を預けるリアレイズ
リアレイズは立った状態や前傾姿勢でも行えますが、インクラインベンチに胸を預けて行う方法もあります。
ベンチに体を預けることで姿勢を固定しやすくなり、反動を使いにくくなります。

この姿勢を家庭用家具で再現しようとすると、角度や高さが合わなかったり、体を預けたときに不安定になったりすることがあります。
そのため、胸を預けた状態で安定してリアレイズを行いたい場合は、インクラインベンチの方が使いやすいです。
インクラインダンベルカール
インクラインダンベルカールは、背もたれに体を預けて腕を後方へ下げた姿勢で行う種目です。
上腕二頭筋を伸ばした状態から動作を始めやすいのが特徴ですが、この姿勢も角度調整できるベンチがないと作りにくくなります。

椅子の背もたれに寄りかかって似た姿勢を作ることはできますが、角度や座面の高さが合わないことも多く、安定性も専用ベンチには劣ります。
椅子やソファをトレーニングベンチ代わりにするときの注意点
椅子やソファは種目によってトレーニングベンチの代わりに使えますが、高重量のトレーニングにはおすすめしません。
家庭用の家具は、ダンベルを持った状態で体重を預けることを前提に作られているとは限らないためです。
代用品として使う場合は、少なくとも「安定性」「強度」「座面の状態」を確認してから使用しましょう。
グラつきや滑りがないか確認する
最も重要なのは、トレーニング中に家具が動かないことです。
例えばブルガリアンスクワットで後ろ足を椅子に乗せたとき、椅子が後方へ滑るとバランスを崩す可能性があります。
ワンハンドローでも、体重を預けた瞬間に家具が傾いたり動いたりすると危険です。
使う前に、
- 脚部がグラつかないか
- 床の上で滑らないか
- 体重をかけても傾かないか
を確認しましょう。
少しでも不安定に感じる家具は、トレーニングベンチの代用には使わない方が安全です。
耐荷重が分からない家具では重いダンベルを扱わない
トレーニングでは、自分の体重だけでなくダンベルの重量も家具にかかります。
例えば体重70kgの人が両手に20kgずつダンベルを持てば、合計では100kgを超える重量になります。
一般的な椅子やソファでは、トレーニング時のような荷重を想定していない場合があります。
特に、
- 耐荷重が分からない
- 古くなっている
- 脚部が細い
- 折りたたみ式である
といった家具に重いダンベルを持ったまま体重を預けるのは避けましょう。
重量を増やして本格的にトレーニングするなら、耐荷重が明記された専用のトレーニングベンチを使う方が安心です。
柔らかすぎるソファや高さの合わない椅子にも注意する
ソファは座面が柔らかいため、体重をかけると沈み込むことがあります。
体が沈むと姿勢が安定しにくくなり、ダンベルを動かす軌道も変わりやすくなります。
また、椅子をブルガリアンスクワットなどに使う場合は、高さも確認しましょう。
高すぎたり低すぎたりすると、無理な姿勢になってトレーニングしにくくなることがあります。
椅子やソファを代用する場合は、「置けるから使う」のではなく、安全に姿勢を保てるかまで確認することが重要です。
軽い重量で簡単な種目を行う程度なら代用品で対応できる場合がありますが、重量を増やしたり、体を大きく預けたりするトレーニングでは、無理に家具で代用しないようにしましょう。
ベンチを買うならフラットとインクラインどっち?
トレーニングベンチを購入するなら、種目を増やしたい人はインクラインベンチ、角度調整を使わない人はフラットベンチが向いています。
フラットベンチは構造がシンプルで価格を抑えやすく、ダンベルプレスやダンベルフライなど基本的な種目を行うには十分です。
一方、インクラインベンチなら背もたれの角度を変えられるため、インクラインダンベルプレスやショルダープレスなどにも対応できます。
「ベンチは必要そうだけど、フラットとインクラインのどちらを選べばいいか分からない」という方は、以下の記事で違いや選び方を詳しく比較しています。
▶ フラットベンチとインクラインベンチはどっち?違いと後悔しない選び方

トレーニングベンチの代用についてよくある質問
トレーニングベンチの代用についてよくある質問をまとめました。
トレーニングベンチは床だけでも代用できますか?
一部の種目なら床で代用できます。
ダンベルプレスはフロアプレス、ダンベルフライも床で行えます。
ただし、肘や腕が床に当たるため、ベンチを使う場合より可動域は狭くなります。
床でも鍛えられますが、ベンチとまったく同じ動きにはなりません。
椅子を2脚並べてトレーニングベンチ代わりにしてもいいですか?
おすすめしません。
椅子同士がずれたり、体重やダンベルの重さで不安定になったりする可能性があるためです。
特にダンベルプレスのように重いダンベルを持って体を預ける種目では、専用のトレーニングベンチを使った方が安全です。
ソファはトレーニングベンチの代わりになりますか?
ブルガリアンスクワットなど、足を乗せる程度であれば使える場合があります。
一方、ダンベルプレスなどで体を預ける用途では、座面が沈み込んで姿勢が安定しにくいため、ベンチの完全な代用にはなりません。
初心者でもトレーニングベンチは必要ですか?
初心者だから必要、不要と決まるわけではありません。
床でのトレーニングや自重トレーニングで十分なら、最初から購入する必要はありません。
一方、ダンベルプレスの可動域を広げたい、インクライン種目を行いたいなど、やりたいトレーニングにベンチが必要になったタイミングで購入するのがおすすめです。
まとめ|トレーニングベンチは一部の種目なら代用できる
トレーニングベンチは、床や椅子などを使えば一部の種目で代用できます。
例えば、ダンベルプレスは床でフロアプレスにできますし、ブルガリアンスクワットやワンハンドローも安定した台があれば行えます。
一方で、
- ダンベルプレスやダンベルフライを広い可動域で行いたい
- インクラインダンベルプレスなど角度を使う種目をしたい
- 重いダンベルを扱いたい
- 家具ではなく安定した器具を使いたい
という場合は、専用のトレーニングベンチを用意するメリットが大きくなります。
重要なのは、「代用できるかどうか」だけでなく、「自分がやりたいトレーニングを安全に十分な可動域で行えるか」で判断することです。
床トレーニングで満足しているなら、無理にベンチを買う必要はありません。逆に、トレーニングの幅を広げたくなったときは、ベンチの購入を検討してみましょう。


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